満開の桜がしっぽりと雨に濡れている花冷えの朝。これもまた風情があるなぁなどと風流ぶってみたくなる。満開の華やかさもよろしいのですが、傘に奏でる雨音と一緒に落ち着いて花を眺められる心地します。濡れ散った花びらが路にも彩りを添えているのも目にやさしい。これでもう少し温かければいいのにと思いつつ、この冷たさが色を引き締めているのだとも思います。
花粉症なのか風邪なのか洟をすする人も周りに多く、それが「花冷え」の由来で勘違いしていたのを思い出しました。冷え込んで風邪を引き、洟をかんで散らかしたティッシュがお花に見えて「花冷え」と言うようになったのだという妄想と連想による誤解。洟をかんだ跡をお花に見たてたという僕の感性がそもそもおかしいのですが。今週も神さまの温もりに包まれて心も体もすこやかにお過ごしください。