会議出席のため小田原から熱海に向かう東海道線の車窓から海を見ました。こんな風に海を眺めるのは久しぶりでした。和歌山にいた頃、会議で大阪に向かう南海本線からいつも海を眺めていたのを思いだし懐かしくなりました。
とはいうものの、ぐるり四方を山に囲まれた盆地育ちの僕にとって海を前にすると心が落ち着かなくなります。海への憧れで心浮き立つというのではありません。水平線がどこまでも延びていくようなその広さに吸い込まれるような気がして恐いのです。限りがない光景に自分の所在を失うような、めまいにも似た心地してしまうのです。
際限がないといえば、神さまの愛。このぐらいと見積もることのできるチープな愛とは異なります。どこまでも広がり、どこまでも深い。それは本当は恐いことなのだと海は僕に教えるのでした。