とあるジャズライブ。アップライトピアノの背中を見るような端っこの席に座ることになってしまいました。聞こえてくる音はピアノに偏るとはいえ、まずまず楽しめたので良かったのですけれども。
このとき会場のなかでピアニストの表情を眺めることができたのは僕だけ。アップライトピアノゆえ、客席には背中を向けてますから。ピアノを弾く手元は見えないのですけれども、体をゆらす演奏のなかで時々ピアニストの表情が垣間見れる。彼女は別に会場に顔を向けているわけではありませんから、どんな顔をしていたって良いはず。それなのに笑顔を絶やさず演奏しているのが印象的でした。
人に見せるために貼り付ける笑顔ではなく、演奏を楽しんでいるところから出てくる笑顔は素敵。それを眺めた僕はどんな表情をしてただろうと後で思うのでした。