真夏の夜のクヮイダン
ある晩のこと。消灯して横になると沈む枕のわきで「カサ」と音がします。ゴキブリ?と、跳ね起き灯りをつけても姿は見えず。枕をひっくり返し、掛け布団もめくりましたが何もない。
もう一度横になると、今度は首筋のあたりに、確かに何かが触れる感覚。乾燥した米粒を踏んだときにも近い、小さいけれども確かに何かがそこにある。慌てて首に手を伸ばしますが、何も触れません。
何もないならと横になると、今度は背中に梅干しの種ほどの大きさが感じられました。何かいるはずなのにそれは見えません。嫌だなと思いつつも眠さがまさって布団に入ると、僕の髪のなかでそれはガサガサと這い回る。ぎゃ!と声をあげ今度こそ捕らえたそれはコガネムシ。あなたとは寝れないよと、闇夜に逃がしてやりました。