〈牧師室便り〉
真夏の夜のクヮイダン その2
ある晩のこと。月も顔を隠している暗い中、街灯だけが道を照らす人影も少なくなった通りを歩いていました。
すると遠くに二つの玉のようなものがゆらゆらと宙に浮いているのが見えました。光っているというのではないですが、暗がりに薄ぼんやりと浮かぶそれ。右の玉が上がれば左の玉は下がりと二つは上下に動きながら、こちらに近づいてきます。こちらの足の運びも自ずとゆっくりになりました。お墓で見るあれかと思うと心臓の動きが速くなっているのに気がつきます。じんわりとあぶら汗が滲んできました。・・・その正体は二つの拳。全身黒づくめの日焼け止め衣装を着込んでウォーキングしてるご婦人。ご丁寧にサングラスまでつけて。日も暮れたのになぜそんな格好を!と、すれ違うその背中に文句を垂れた臆病者でした。
